インハウスSEOはマスタリーを目指せ


インハウスSEOの担当者はスキルと知識の面においてが広範囲の対応が要求されます。特に企業内の仕事の中でSEOの専業化は困難なだけに、関わる仕事の中にSEOの知見織り込んでいく必要があります。それがマスタリー(熟練者)としてのスキルといえるでしょう。

ダニエル・ピンクの著書「モチベーション3.0」に登場する「コントロール(統制)下のフロー」「権限移譲された自律(オートノミー)」「マスタリー(熟練者)の積極的な関与」を用いてインハウスSEO担当はどのように会社内で仕事に関与すべきかについて個人的視点を書きます。(*「モチベーション3.0」は経営の観点であり、その中で用いられる本来の意味とは若干異なります。)

コントロール(統制)化のフロー

コントロール(統制)下のフローとは組織の仕事をトップダウンにて展開する事です。しかし、私の場合、フローによる展開は期待できませんでした。なぜならトップから評価可能な(あるいは評価してもらえる)作業ボリュームは発生しない事が多いからです。

実際に社内において認知してもらうまでSEO的なる業務は存在していませんでした。

局所的に膨らんだり、あるいは全くないこともあります。SEOは業務でなく知識や技術(スキル)の一つに過ぎないからです。

一概にスキルと言っても、例えばGoogle検索のアルゴリズムは3ヶ月毎に何かが変化し、対応デバイスやソーシャル・メディアも急速に膨らんでいます。スキル獲得には膨大な時間が掛かります。
この業界に居る人たちは毎日答えの無い問題を解いているようなものでしょう。

社内でもSEO的なる仕事を探せば無限にあった

やるべき課題は多かったです。しかし、一定スキルに到達するまで、それを実行しても組織の成果(集客や売り上げ)には直接反映されませんでした。

SEOは絶対に必要ですが、それを評価するのは「順位」や「トラフィック」という重い数値だけとなります。そして、「順位獲得」もまた、必ずしも企業の利益に繋がるとは限りません。

フロー型を目指すなら「外注」した方が現実的なケースも多いのですが、大手企業でない限りそこまでの予算は期待できません。もちろん「安直にリンクを買う」行為も許されないため、一種のジレンマに陥ります。

目標設定は時として「倫理に反する行為」を助長しがちです。そうしないと目標達成できないと勝手に思い込み始めます。「リンクを買う」のが「倫理に反する行為」かは微妙ですが「リンクを買う」だけで何も獲得していないとしたら、いつか危機を向かえる事になるでしょう。

よって、目標達成に必要な手段を選択できる「権限移譲された自律(オートノミー)」の獲得による選択と集中を強く求められることになります。

権限移譲された自律(オートノミー)

私の場合、マーケティング予算の中で「権限移譲」されて作業時間と予算をどこに割くべきか決定できる権限を比較的早期に頂きました。

経営者に意見し、目標達成に用いる手段を決定する権限を持つ事でSEOに重きを置く事が可能になります。選択の一つとしてSEOに力点を置いたプロモーションも実行可能です。

ここでのSEOとは目に見えない作業の時間とSEOのスキームによるコンテンツ作成を指します。ここで1つの問題が発生します。

権限委譲の見返り(責任)として会社に貢献する絶対的な数値目標をコミットしなければいけない。

これを達成させなければ、あらゆる作業が無駄になります。時間の掛かる「コンテンツSEO」や「ロングテールSEO」なるものはサイトを作り直す、サイトを追加するといった機会に恵まれない限り(そしてそれに没頭する時間を与えられない限り)使える駒が限られます。

目標達成のための予算配分は短期の売り上げを担保できる他の手法(広告等)へとシフトします。ほとんど全てがサイト構築後に担当になった私の場合は、それが実は正解でした。当初はジレンマに陥ったものの結果としてプラスに作用しました。

広告プロモーション主体であっても成功している間は権限を行使でき、誰も気付かぬソースとの格闘や、小さなリンクビルディング、小さな反復テストを何ヶ月も続ける事が可能になったからです。「権限移譲された自律(オートノミー)」が無ければなし得なかった事です。

目標を達成し続けていれば、自分のモチベーションと能力次第でどこまでもSEOを突き詰めていく事が許されるようになったのです。また、多くの手法を展開していく中でSEOとの関連性を常に意識するようになり、自分の手法の「是非」を冷静に判断できるようになっていきました。

そして検索順位は結果付いてくる

ほんの少し前まで検索結果の順位獲得は大きな目標でした。よりビッグ(ショート)なワードで上位になる事が「成功」と思っていましたが、それが誤りである事は比較的短期に判りました。

一定のワードで上位にしてもコンバージョンに全く貢献しない事もも少なくなかったからです。

しかし、それは果たして単にキーワードの選択を間違えただけでしょうか?

実際には、それだけでは有りません。導線を研究し、受け口(ランディングページ)からコンバージョンまでの遷移回数を計算し、接触機会を考慮し、広告との融合を測る。そこまでやって初めて「そのキーワードは顧客を獲得できるか」が判るのです。

多面的なWebマーケティングへの「マスタリー(熟練者)としての積極的な関与」、つまりSEOの意義を理解した上でのあらゆる業務への参加です。

その結果、順位を追っているときよりも、より早く、よりタフで、より確実な結果を残せるようになりました。

マスタリー(熟練者)への道

個人的にまったく知識も技量も足りてませんが、SEO以外のWebマーケティングを一通り経験した事でインハウスSEOのあり方がやっと見えてきた気がします。

マスタリー(熟練者)とは自己充足が業務に直結している事です。自己の目的のために知識を獲得する事です。

例えば、このブログは「業務終了後に毎日2時間、SEOについて書く」のが目標です。これは「苦しいが苦痛では無い。」一種の達成感を毎日味わうことができます。毎日RPGでレベルアップしているようなもので、経験値が入ってきている事を実感できます。

意識せずともマーケティング全体にSEOのメソッドを組み入れる事が可能になりましたし、自分の課題もやっと見えてきました。それらを克服する作業は結果としてプロジェクトに高い成果を提供することになります。

社畜か?と問われたら社畜ですね。(笑) が、スキルは自分のものです。「自己投資」を出来る環境を作る事が、実はインハウスSEOの重要なポイントではないかと思います。

私は、まだまだ知識不足。おそらく、今後、過去記事との矛盾を多く書く事になるかも知れません。その時は、素直に謝りますのでご容赦ください。


関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る