検索の価値が上がる程、SEO対策の価値も向上していきます。以前、マーケティングの柱は広告とキャンペーンでしたが、今、最も意志決定に関与しているのがオーガニック検索です。Google Think Insightsに興味深いデータが掲載されていたのでご紹介。
オーガニックは経由パスが少なく申し込みや購入に繋がりやすい
今回のデータは冒頭の図ように、メール、直接サイトアクセス、広告、ソーシャル、他サイトの紹介の5点の中で、どのチャネルが申し込み・購買に繋がったかを統計化したものです。
Google Analyticsは業界の統計データを取得する代わりに、自社のデータを「匿名」として、提供するオプションがあります。今回の統計データは、そのオプションを選択したユーザのデータを基に解析しています。
Google AnalyticsとGoogle Adwordsにはマルチ・ファンネルという機能がありリピータの再訪履歴をチャネル別にトラッキングしています。
この統計では、そのマルチ・ファンネルを国別、業種別に分類し、図表化したものです。
上の図は、日本国内の全ての業種の平均的傾向です。チャネルが丸印(色=チャネルの違い)で、下の数値は、チャネルの経由回数を指します。
例:「オーガニック検索」→そのまま購入 は 0(ゼロ)
例:「広告」→「オーガニック検索」→ 購入 は 1
例:「オーガニック検索」→「ダイレクト」→ 購入 は 1
数字が小さい程、意志決定に使用されるメディアとなりlast interactionに近づく程、意志決定までのパスが短いことを表しています。5つの分類ですが広告は更に、リスティング広告とディスプレイ広告、その他広告に分類されています。
総合的な平均ではDirectは「最後の意志決定チャネル」であり、履歴やブックマークからの流入が主となります。続いて、サイトリファラ、オーガニック検索となり、このあたりはDirectと近いラストクリックのチャネルである事が判ります。米国と比べると、日本は意志決定に時間が掛かるようです。米国(下図)では、複数のチャネルから購買まで一気にアクションが発生しています。
日本人は意志決定までより多くの時間が必要
米国と日本の違いは、意志決定までの時間にも表れています。
米国(上図)は半数が、その日に購入決定しているのに対し、日本(下図)は7割が複数日にまたがって購入決定をしています。
日本人の「慎重さ」が伺えます。
業種によっても大きな開き
業種によってもチャネルの有効性は異なります。小売り(上図)と健康(下図)にも大きな開きがあります。
業種によって適切な選択が必要ですが、何れのジャンルでも上位に位置し、意志決定に関与している確率が高いのがオーガニック検索です。SEO対策の成否が売り上げに直結しているのは確かと言えるでしょう。