マーケティング担当者にとってSEO対策とは良質なトラフィックを集めるための一手段にすぎず、検索ボリュームの多いキーワードで1位になったとしてもコンバージョンに繋がらないのであれば価値が無いと判断します。

上位表示した時の表示回数とトラフィック(クリック)は必ずしも比例するとは限りません。またトラフィックが増えたとしても、それがコンバージョンに繋がらないのであれば意味がありません。

(A)
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(B)
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(C)
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(D)
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(E)
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一番下がこのサイトです。ロングテールのワード拾ったり、ビッグワードに少しだけ絡んでいるため表示回数だけは膨らんでいますが、トラフィック(検索結果のクリック数)はお粗末な物です。

表示回数に比べてクリック数が少ない原因は以下の通りと推測します。

1)クリック率の高いワードをきちんと拾っていない。
クリック数÷表示回数でサイトのクリック率(CTR Click to Rate)を計算します。十分に順位が上がったと思っても、このCTRが低いと売り上げや申込率に変化が出ません。(E)のCTRは2.5%。改善の余地が多数ありの状況です。

SEO対策で重要な事の一つは「CTRの高めキーワードを拾うこと」です。それが「きっちり出来ていない」とこうなります。対して(D)は少しマシなサイトです。平均CTRが8%。小粒ですが拾うべきワードは拾っていると言えます。

有効なキーワードを拾うためには各コンテンツを最適化していく必要があります。余裕がないときは言い回しだけでも注意すると良いと思います。

2)ブランディングしていない。
CTRが高いワードの多くは「会社名」「製品名」「サイト名」「著者名」等、ブランディングされたキーワードがある程度認知されています。ブランド検索は高いCTRが期待されます。ただ、これはSEOというよりマーケティング全般の施策によるところが大きく、「仕掛けが巧い(口コミやソーシャル等)」「コストを掛けてPRする」等、SEO対策とは軸の異なる施策が必要になります。上記図の(C)は最近、やっとブランディングの効果が出始めたサイトです。CTRは7.5%。ブランド検索が多くブランド名のCTRは平均20%程度あります。

このブランディングはサイトを成長させる上で必ず必要になると思います。ブランドは認知が大変なのであって、順位自体は意識せずとも1位を約束されているといって過言では有りません。認知(仕掛け)はセンスと技量が必要ですが、私はこれが(とても、とても)下手なので、なおさらCTRが低いママです。

3)検索結果のクリエィティブを改善していない。
上位表示されても魅力的なタイトルがついていない場合、クリックされずに終るケースもあります。タイトルは広告文面と同じで刺激的であるほどクリックされる傾向にあります。

また説明文(description)もタイトルにそった続きを読みたくなるような詳細説明が必要になります。2)と3)は密接な関係があり、ブランディングの過程でもタイトルの作り方は重要になります。

おそらく、このサイト(このブログ)がやるべき事はこの3つです。

少々自虐的なネタになりましたが、苦労して見込みキーワードを上位にしても、その成果を得られないと感じているなら原因は上記3つのどれかにあると思います。表示回数が膨らんでいるなら改善の価値は大いにあります。

余談ですがー

Google検索で全てのキーワードを取得できなくなった事が大きな話題になりました。SEO関連ブログで話題となったため、「キーワードが取れなくなった事でSEO業者は困ったことになっているに違いない」という意見も見受けられましたが、たぶんそれは無いでしょう。有償のSEO業者の大半は希望キーワードを聞いて施策するだけです。実際、そのキーワードがトラフィックに良い影響を与えるかどうかを気にかけてくれるSEO会社がいたとすれば、それはごく一部の優秀なSEOコンサルタント会社なんじゃないかと。

困るのはどちらかというと内部対策を行う私のようなインハウスSEO担当だったり、Web制作の現場だったりだと思います。キーワードを取り扱うツール群が使えなくなったとか、検索オーガニックからの導線がさらに見えにくくなったとか、やりにくい部分が出ていますからね。