Googleは様々な形であなたの履歴情報を有効に活用しています。Googleのサービスや検索、Googleが関わった製品(Android 他)Googleには全く触れない方の情報も取得しています。
例えばGoogle Analyticsタグ。Googleと一切関係の無いサイトでもGoggle Analyticsタグを入れているケースは多いでしょう。あるいはGoogle Adsenseタグ。広告を出しているサイトも然りです。
Googleが取得可能な「あなた」の情報
1.隠ぺい困難な情報
OSレベル、ネットワークレベルで取得可能な情報は個人情報の定義にはあたらず、また、これらを隠ぺいする事も困難です。
- 国、言語
- IPアドレス(位置も判別可)
- GPS情報
- 端末固有ID(機種変更まで変わらない)
- アプリケーション情報
- 時間
2.Google検索(非ログイン/Cookie拒否)
- 匿名IDの有無*
- 検索キーワード
- 検索結果の遷移とクリック
*Googleにアクセスすると匿名IDが割り当てられます。履歴やCookieを拒絶していても追跡可能なIDにより一時的な検索追跡を可能にします。この時、「1.隠ぺい困難な情報」との紐付けも行われます。
3.Google検索(非ログイン/Cookie許可)
- ローカルストレージ
- 過去の閲覧履歴(一般)
- Google クッキー(検索)
- Google クッキー (広告)
*ここまでの情報で個人を特定する事は困難ですが、他の情報とひも付ける事で趣味嗜好、氏名、年齢、住所etcが判明します。
但し、Googleが個人情報を公開する事も無いでしょうし、ビッグデータを駆使して個人を特定するメリットもあまりありません。そもそもGoogleに限らず全てのネットサービスで取得可能なレベルが大半です。Googleは規模が大きいためスケールメリットが圧倒的に高いのです。
Appleはこれを嫌い、Safariは極めて異種の防御を行っています。しかし、これも「Googleには渡したく無い、Appleが独占したい」だけで必ずしもユーザメリットを配慮しての事では有りません。
4.Google検索(Googleアカウント)
ここからはGoogleならではの情報が多く、個人をより詳細に特定可能になります。
- Google検索(非ログイン)で得られる情報全て
- 過去の閲覧履歴(サーバ蓄積)
- ローカルストレージ
- 検索キーワード入力の傾向
- 興味・感心の傾向
- 検索結果の操作履歴
- 広告のクリック履歴
どの程度取得しているかはここで判ります。Googleはあなたを正確に把握してますよね。
5.Gmail
Gmailはメールの内容を自動スキャンして、メール文面を読み取り、その内容に合致した広告を出すようになっています。Googleは自動スキャンとアルゴリズム判定であるからプライバシー侵害にあたらないと主張しています。
スキャンログすら残さないらしいのですが、広告表示履歴とクリックは残す必要があるので実質データはある事に。
- メール全文
- 開封の有無(ピクセルタグ)
- アドレス帳
- 送信/受信履歴
6.Google+
- 氏名
- 年齢
- 性別
- 趣味
- 交流
- 学歴
- 職業
- 最近あなたがした事
- 最近あなたが行った場所
7.Google Play
- アプリの利用履歴
- 好きな音楽やビデオ
- Google Play検索履歴
- アプリの利用頻度
8.Google Analytics / Adsense / Adwords
- クリックした広告
- 閲覧したサイト
- 特に興味のある情報
- 最近購入した商品
9.Googleチェックアウト
- 購入履歴
- カード番号
10.ウェブマスターツール
- あなたが管理しているサイト
11.Android / Chrome
- 電話ログ
- チャット・ログ
- あなたの行動
- アドレス帳
12.クロールを許しているサービス
クロールを許しているのあらゆる情報を獲得可能です。そのため、度々悲劇が起きます。但し検索順位には使用されていない情報も多くあります
Googleが他のサービスと大きく異なる点
上記に上げた情報は、どのサービスでも大なり小なり取得・利用可能な情報です。クレジットカードの利用履歴や購買履歴、サイトのアクセス履歴は各サイト管理者や企業が個別に管理・活用しています。Googleだけが情報取得者ではありません。
しかし、Googleはサービスの規模が非常に広くて大きいため、小さなレイヤではわからない情報もIPや端末IDで全てひも付け、割り出し可能になっている点です。
このジャンルではFacebookに大きく遅れを取ったGoogleですが5年の歳月で、どうにか追いつけるポジションになりつつ有ります。FacebookやTwitterがマネタイズで足踏みしている中、時価総額でも世界2位になる躍進ぶりで業績も順調。
全世界の70%のシェアを握るAndroidという大きな資産がある今、個人情報を活用した広告と検索戦略はもっと進化して行くでしょう。
検索しようとGoogleを開いたら「検索結果が既に表示されていた」という「あなたの心の中にいるGoogle」まで後一息です。