昨年のペンギンアップデートの更新で急激にランクダウンした取引先の「とあるサイト」。私たちはSEO会社ではないので直接リカバリーのお手伝いをすることは出来ませんでしたが、よくある「悪質SEOの事例」を全て体験なさったようです。その後私たちがシステム面で色々とアプローチさせていただく事になったのですが、何をやっても全く順位は上がりませんでした。それが、ある日突然「許される」事に。
1.始まり
そのサイトは昨年10月初旬のペンギンアップデートでペナルティを受けました。
その頃、複数のSEO会社を使っていて、幾つかのSEO会社が逃げる中、(会社名は教えてくれませんでしたが)とあるSEO会社がペナルティ解除にあたったらしいです。(新たに依頼した会社なのか、ペナルティ原因の会社の1つなのかは深く突っ込めませんでした。)
不自然リンクを外すように依頼し、中にはよく聞く「リンクを外すのに料金が掛かる」も実際にあったようです。
2.諦め
疲れきってしまったのかサイト・オーナーは「検索上位に成る事」を諦めてしまいました。自業自得な部分はあったと思いますが、知識が無いまま本業以外の作業に振り回されて、相当大変だったようです。
当然元のポジションには戻せず50位以下で低迷。複数のトップページが飛ばされたため「完全一致のサイト名でも検索結果上位に出ない」重傷状態。複数のサイトを運用されていたので、このサイトは半ば放置に。
その頃、私たちはシステムの一部を新しいプログラムに改修予定だったので、「でしたら開発中のシステムの最終テスト版を適用させていただいてよろしいですか?SEO的にも良いシグナルに成るようサイト全体を改修していきますので」とお願いして快諾頂きました。
とは言うものの、ここからも想定以上に大変でした。
3.許されない
問題あるリンクを外す作業は長期にわたったようです。
否認したと思われるリンクもかなりの数。解除前は想像を絶する不良リンクの数だったようです。Ahref(下図)のオレンジの部分。サイトワイドが一気に減っているのも確認しました。
それでも全く改善せず、ひたすら不良ページと怪しいと思われるページを削除・noindexにしたり、コンテンツの補筆を行ったり、ソーシャルの支持を受けるように活動したりとシステム以外にもお手伝い。結果、半年以上、サイトとお付き合いする事になりました。
開発チームが制作中のバージョンは予定通りにリリースされてしまい、他のお客様ではトラフィックも上昇していたのに、問題のサイトは全く駄目でした。
4.特徴的なヨーヨー現象
ゼロスタートよりタチが悪いと感じたのが、ヨーヨー現象。SERPs2~3ページ目に入ったと喜ぶと、数日で圏外に飛ぶ。
特定のワードから異なるワードに評価が移るでもなく、全体が急上昇、急降下を繰り返す。色々なキーワードでこれが常態的に発生していました。
この時、外部施策は行っておらず、コンテンツ改善が主体なので急上昇・急降下する理由がさっぱり判らない。
テストサイトは他にもあったのですが、このサイトだけ明らかに異質。
Googleが何らかのフラグを付けて頭を抑えているではないかと(妄想的な)発想を抱くようになりました。今でもこの現象の明確な理由は不明です。
その後、圏外で再び定着。「もう、このサイトでは無理なのかな〜」と私たちも諦めムード。
後の結果で知ることになるのですが、ペナルティ解除後の再スタート・サイトには、これが「良い兆候」であった事。渦中にいたときは「まだペナルティが残ってるんじゃないか?」というネガティブメッセージに見えたのですが・・・。
5.突然許された
ペナルティから丁度一年。2013年10月初旬、急激にサイト順位が上昇を始めました。周りは2013年10月ペンギンアップデート2.1の影響を強く受けた中で。
この時の私たちの印象は「あー、また下がるんだろうなー。」でした。ところが順位を順当に上げていき、遂に1ページ目に。その後、落ちる事無く上位に入りました。
実際、被リンク数は大して変わっていません。このリンク増加も、よくある自然増でサイトオーナーがリンクを貼ったとかも一切無いそうです。(あまりの豹変に怪しみましたが・・・)
他のキーワードも、上位に相次いで入りつつ有ります。トラフィックも回復。ローカルでも突如1位に。
幸いだったのは問題があるサイトのため、2013年に入ってから不良なリンクビルディングが止まった事です。その後の2度のペンギンアップデートを機会に評価を戻しています。
自分たちの活動が「正解だったのか判らない」という不甲斐ない状態ではありますが、そこから得た教訓は「ペナルティを受けたらまずは解除。その後、半年は上がらなくても内部対策とコンテンツ作成だけを頑張ってみる事。」でした。特に諦めない事も重要です。
私はインハウス専門だったため他人がSEO対策して最悪の結果に直面している状態から引き継ぐ事はほとんどありませんでした。普段、否認やペナルティの対処を行っている方は大変だろうなと実感。私は経験不足である事を新ためて痛感しました。