Googleが新しいアルゴリズム「Hummingbird」(ハミングバード / ハチドリ)を発表しました。この新しいアルゴリズムは音声検索等「冗長な言い回し」に対して適切な検索結果を返すためのアルゴリズムです。既に1ヶ月前から稼働を始めているようです。

このアルゴリズムの変更は、現時点でのテキストベースのキーワード入力とその検索結果(ランキング)に「ほとんど影響を与えない」との事です。今までの重要な指標はそのまま継承し、その上で音声入力等に対してより速くより正確に検索結果を返すのが目的のようです。

9月26日にGoogleが発表した際にコメントした「ほとんど影響を与えない」のは事実のようで、1ヶ月前に稼働開始していたようですが誰も気付いていませんでした。

(以下は予測を含む内容です。全体のアルゴリズムは明かされていません。)

1)会話のような検索に対応するため

現在のGoogleはキーワード検索の曖昧さも吸収し的確な検索結果を返すようになっています。しかし、それは明示されたキーワードが含まれているページを表示させているのであり、必ずしも検索側の意図に合致しているとは限りません。検索結果の背景にある個人のプロフィールにフォーカスしようというのが「Hummingbird」のようです。

この新アルゴリズムは、Googleがこれまで強力に全社を挙げて推進してきた「Google Now」や「ナレッジグラフ」に強く関係しています。

2)より速く、正確に

幾度かGoogleは検索結果を速く正確に、かつ最新の情報をユーザに返すためにアルゴリズムの変更を行っています。今回も過去のインデクス・アルゴリズムの変更と同様に「現在時点」での順位変動には影響しません。

インデクス速度が増したため新鮮さがより重視されるようになったインデクスシステムcaffein(カフェイン)。2010年6月に正式リリースされました。当時も「ランキングには影響しない」と明言し、実際、導入当初の変化は有りませんでしたが、鈴木氏がこの当時の記事に書いている通り、現在では更新頻度と更新速度、多様なマークアップとそのボリュームがランキングの重要な要因となっています。

そして今回の「Hummingbird」も、近い将来にはランキングのアルゴリズムに影響すると考えられます。

例えばグルメクーポンや飲食店のサイトの場合「その場所の近くに今現在予約可能なレストランはあるか?」。この問いに「常に」答えられるサイトは、Googleにより良い評価を受けることになるでしょう。

重要なのは「更新時間のシグナルを正確に且つ頻繁に送る」「予約可能なサイトである事を明示する」「予約情報をマークアップしGoogleに明示する」等リッチスニペットでマークアップされている事は当然、さらにサイト設計時のコンセプトにも盛り込む必要が出てくると思います。

3)「誰の役に立つのか?」がキーファクター

「役立つサイト」=「良質なサイト」。これはGoogleの設立当初から変わっていません。「caffein」以降は「いつも最新の役立つサイト」が「良質なサイト」になり、「Hummingbird」では「どこの」「誰に」「どのように」「役立つサイト」なのかを定義する必要が出てきたと言えます。

普遍的なテーマであれば「SEO的には何も変えなくて良い」ですし、タイムリーな情報でトラフィックを獲得していたなら「全てを変える必要が出てきている」と考えられます。

スマートフォンで「今」検索しているユーザのために何が出来るか?これが「Hummingbird」対策と言えそうです。

おまけ

一方ライバル(?)のSiriはー Web検索はBingベースの検索に変更されています。音声検索の精度は上がっていると思います。速度ではGoogleに敵わないかもしれませんが、会話型のパーソナルアシスタントとしては「少しだけ進化」しています。

面白い裏技も多いことで人気のあるSiriがiPhoneにとけ込む事で成功するか、Googleが技術とブランドでスタンダードになるか、こちらも注目していきたいですね。

「話を聞かせて」と繰り返すと物語を語り始めるSiri
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