Google検索はセマンティックを取り入れたアルゴリズム「ハミングバード」導入以来、色々な検索キーワードを柔軟に置き換えてくれるようになりました。SEO関係者が導入された事すら気づかない変更だったのですが、ここに来て思わぬ変化をし続けています。例えば日本語と英文を置き換えてくれたり、類義語や同義語も対象にしてくれたりで便利になる反面、行き過ぎてとんでもないバグを生む結果に。たまたま、ムーバブルタイプの話題が出たので検索してみたら意外な結果が。

【目次】

セマンティック検索がGoogleに退化をもたらす

「ムーバブルタイプ 評価」の検索結果

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「ムーバブルタイプ 評価」→「Movable Type 評価」→「MT 評価」→「MTって名前のついたシャフトの事かな?」って、酷い。ひどすぎです。

「MT」なんて入れてないのですが、「ムーバブルタイプ」では新しい記事の共有があまりなかったため、比較した挙句に全く異なる検索結果を出してしまったようです。多様性が裏目に出たと思われます。

「ムーバブルタイプ 評判」の検索結果

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「ムーバブルタイプ 評判」→「Movable Type 評判」→「MT 評判」→「MT 評価」→「化粧品の評価ですね。

違う、断じて違います。
それなら ー
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「ムーバブルタイプ 評判」→「Movable Type 評判」→「MT 評判」→「MT 評価」→「Mt.富士 (リッチスニペットの口コミ評価上位)」→「富士山付近の評価の高い宿ですね。

そしてセマンティック検索は究極へ

ムーバブルタイプ 口コミ

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「ムーバブルタイプ」が全く無いです。サジェストまで消されています。

このことから判るハミングバードの癖

つまり、評価評判口コミやというワードに対して、最新の情報を取得しようと必死になるわけです。古い記事やオーソリティも無視されています。ハミングバードは意味解釈を深化させすぎた結果、意外なバグをもたらしているわけです。

面白いことに、ワードによって優先順位や記事のとり方に癖があることもわかります。
序列は「口コミ(Review)」=「評価(Evaluation)」>「評判(Reputation)」であり、口コミの完全一致を優先させ「ムーバブルタイプ」「Movable Type」「MT」の候補を「口コミ」で並び替えた結果「MT」だけが残りました。

「口コミ」は完全一致と評価システムを好む

「口コミ」は評価システムが強いようです。驚くべきことに1位にはタイトルに「口コミ」というキーワードすら入っていません。つまり検索キーワードが全くないユーザ体験としては最悪の結果をもたらしています。

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「口コミ」「クチコミ」と一緒にボールディングされているのが「評価」です。このことから「口コミ」に近いのが「評価」と思われます。

「評判」より「評価」が優先

「評判」と入れたのに「評価」が優先されました。Googleは「評価」という言葉に特別な意味をもたせているようです。「評判」という言葉は優先されず「評価」と入った検索キーワードの結果が上位になります。

そしてレビューという言葉は完全一致が優先され「Movable TypeとWordPressをレビュー」という言葉で「ムーバブルタイプ」側に動いてました。

改めて「評価」に対して調べてみました

Appraisal: 人の仕事などに関して熟考し吟味し討議した正式な評価
Evaluation: よく調査され熟考された、その量、価値、質などについてくだす判断
Assessment: 計算して出した量や価値
Valuation: 価値、有益性、値段についてくだす仕事上の判断
Estimation: なにかの大きさや量、経費などの細かな情報がない状態でくだす大雑把な判断
Review:なにかについて批評[論評]する
Reputation:なにかについての評判,世評

確かに、一見、意味が似たキーワードでもこれだけ露骨に変化するということは「評価・評判」に関連するワードには綿密な重み付けが与えられているようです。現在はアンマッチな結果を返していますが、この評価系のキーワードは意味解釈の微妙な変化を理解して運用する必要がありそうです。

「評価」に関するワードを改めてよく確認し、タイトルや記事内に使用するキーワードを検討するべきだと感じました。個人的には「このニュアンスの違いを理解して使い分けるのが、これからのGoogle検索の最大のポイント」と確信しています。

終わりに

ハミングバードには相当の癖があり、インテリジェンスとは決して言えない重み付けが存在していると思われます。それが顕著に出たのが偶然にも「ムーバブルタイプ」だったようです。

「ムーバブルタイプ」という言葉は研究価値がありそうで、もっと多くのヒントが眠っていそうです。