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GoogleとYahoo!の検索提携(2010年7月)がどれほどのインパクトだったのか、今になって、やっと見えてきました。そしてYahoo!Japanも実は大きなメリットを見据えていたのではないかと思います。単なる検索エンジンの勝敗だけでなく、多くのサービスの運命をこれほどに左右することになるとは思いもよりませんでした。

検索スパムという名目で死亡するサービス。お互いの譲歩で消え行くサービス。Yahoo!検索にGoogleを採用したときからGとYの二強とそのパートナー以外のネットワーク・サービスの終わりが始まりました。

例えばソーシャル・ブックマーク。ここ3年間で、サービスを「閉鎖する」または「nofollow等制約を付ける」対処が行われています。唯一の例外は2006年にGoogleと提携していた「はてな」のみ。

これを見据えると何が今後、何が問題になり、何がGoogleの評価として強くなるか見えてきます。

GoogleとYahoo!提携による生存リスト 2013年

ジャンル 生存組 廃止組
検索 Googe Yahoo!,Naver
ブックマーク はてな Yahoo!ブックマーク
不動産 Yahoo!不動産 Google不動産
ショッピング Yahoo! 国内ではGoogle参入せず
地図 Zenrin Mapion
ディレクトリ Yahoo! その他大勢

既に勝敗が見えつつあるリスト

上記の法則でいくと、Yahoo!Japan名指しで採用中のサービスは生き残り、他は厳しい事になりつつあります。Googleも国内類似サービスは撤退するでしょう。

ジャンル 優勢サービス
キュレート Naver
Q&A Yahoo!知恵袋
動画 Youtube
レシピ Cookpad
ゲーム モバゲー
グルメ 食べログ
人材・派遣 リクルート
比較・レビュー 価格コム

*Googleレシピは骨抜き状態。
*Yahoo!動画はニコニコが生き残るのか不明。

ある日、突然にGoogle検索から消えるのは何かのシグナル

比較・レビューが価格コムと食べログ主体になり、Googleショッピングから価格コムが消え、尚かつGoogleショッピングが広告だけでコマース自体を行わない決定を下した事に違和感を感じていたのですが、一点の曇りも無く提携によるサービス整理でした。。。

米国ではショッピングもGoogleが展開している事を考えると、Googleにとっても日本は特別異質な市場である事が伺えます。

Yahoo!ショッピングのGoogleショッピングに対する広告出稿ボリュームが増えたのも、これが原因だったのかと納得しました。GoogleショッピングはYahoo!ショッピングの商品が占めるという意味不明な事態に。

Yahoo!とGoogle提携の弊害

言うまでもなく、1択方式を行っているGoogleとYahoo!Japanにより競合サービスが伸びる可能性は極端に低くなりました。こうして整理していくと、そのジャンルで生き残る事が困難に成りつつ有る現状を理解できます。Yahoo!JapanまたはGoogleにサービスを選択されないと窮地に陥るというのは、公正な競争の成長を阻むことになります。

これは提携当時危惧されていた事の1つでした。Microsoftが懸念を表明していますが、その通りの展開に成っています。この記事を読んだ時、「負け犬の遠吠え」に感じたんですが今読むと納得。

こうして見ると楽天やAmazonの存在価値は極めて大きいですね。リクルートのような単なる提携先も他のジャンルでは激突してます。これはいい事です。

米国はBing&Yahoo!(米国)連合が頑張っていて30%以上のシェアを確保しています。その分、健全性も担保されていると言えるでしょう。

今後もGoogleとYahoo!Japanは相互でサービスの取捨選択を行っていくと思います。双方が持つものはどちらかがサービスを廃止し、譲れない一線だけ残す。

そして、囲いから外れたサービスは消え去る運命かも知れません。恐い恐い。